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独占禁止法とは

独占禁止法とは、不公正な取引を禁止して、公正且つ自由な競争を促すことを目的とする法律であり、特許法や商標法などの知的財産権法と関連の深い法律です。

特許や商標では、権利を取得した権利者はその発明やネーミングを独占的に実施・使用することができます。独占禁止法にも、特許法や商標法に基づく行為については適用しないと規定されています(独占禁止法第21条)。

(知的財産権の行使行為)
第二十一条 この法律の規定は、著作権法、特許法、実用新案法、意匠法又は商標法による権利の行使と認められる行為にはこれを適用しない。

法律上「権利の行使と認められる行為」については適用しないと述べており、あくまで特許権や商標権の行使についてのみ適用除外となっています。よって、特許権や商標権でのライセンス契約の内容に、不当に競争を制限すると考えられる場合には独占禁止法が適用されます。

独占禁止法違反とされた事例

代替技術の開発の制限

例えば、事業を行う上で必要不可欠な技術を他社にライセンスする際、その他社に対して「代替技術を開発してはならない」とすることは、独占禁止法に反します。また、代替技術を開発しない業者にのみ有利な条件とすることも、実質的に代替技術開発を制限する行為とされます。

上記の行為は、独占禁止法第8条の規定に違反するおそれがあります。

(事業者団体の禁止行為)
第八条 事業者団体は、次の各号のいずれかに該当する行為をしてはならない。
一 一定の取引分野における競争を実質的に制限すること。
二 第六条に規定する国際的協定又は国際的契約をすること。
三 一定の事業分野における現在又は将来の事業者の数を制限すること。
四 構成事業者(事業者団体の構成員である事業者をいう。以下同じ。)の機能又は活動を不当に制限すること。
五 事業者に不公正な取引方法に該当する行為をさせるようにすること。

製造・販売に関する制限

他社に特許をライセンスする際、ライセンスに係る製品について販売数量や再販価格を制限するような場合には、他社の事業活動を不当に制限するとして、原則的に不公正な取引となります。

ただし、他社にライセンスする技術を利用して製造することができる地域を限定することは一般に行われており、不公正な取引とはなりません。また、製造することができる回数については、下限を定めることは問題ありませんが、上限を定めることは不公正な取引となる可能性があります。

契約に関する制限

他社に特許をライセンスする際、その他社に対して競合他社からライセンスを受けてはならないとすることは、他社の自由な競争を妨げるとして、不公正な取引に該当する可能性があります。また、その特許に関して第三者と研究開発を行うことを禁止する場合についても同様です。

また、特許権が消滅した後でもライセンス料の支払いを強制したり、その特許に関する技術の利用を制限するような場合には、不公正な取引に該当します。ただし、ライセンス料の分割払いの場合には、問題ないと思われます。

【関連サイト】知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針(公正取引委員会)