shutterstock_174561506

出願前の検討

本当に外国出願が必要か?

日本で取得した特許は、日本国内でのみ有効です。外国で生産されて消費される製品については日本の特許権は及ばないため、外国で特許を取得する必要があります。ただし、外国で生産されて日本に輸入される製品については、日本の特許権を行使することができます。

外国に出願する場合には、以下の3つの観点から考えましょう。

  1. 外国で事業を行っている、又は行う予定である
  2. 審査を通過して特許を取得できる可能性がある
  3. 外国で侵害を発見できるか(製造方法の特許は発見が困難)

出願国の決定

外国に出願する場合は、どの国に出願するかを検討します。生産国、消費国、模倣されそうな国、のうち、最も重要なのは「生産国」です。もし、費用に余裕がある場合には、すべての国に出願しましょう。中小企業の出願上位国は、米国、中国、欧州です。

権利化の可能性

外国に出願して審査を通過し、特許を取得することができるのかを予め検討しておきましょう。日本特許情報機構では、中小企業には費用1万5千円で特許調査を行ってくれます。調査結果を利用して、近い特許が出願されていないか、その出願は外国出願を行っているか、等により外国での権利化は可能か検討しましょう。

【リンク】日本特許情報機構

国際特許出願により外国出願する場合には、国際調査機関から審査結果が送付されてきます。この結果を検証することで、特許取得の可能性を判断します。非常に近い特許が既に出願されていた場合には、補正を行うことも必要です。

出願方法

出願可能時期

日本に特許出願を行ってから1年以内に出願したほうが良いです。このときは、パリ条約に基づく優先権を主張し、日本における出願日の利益を享受します。1年が経過した後であっても、出願公開(出願から1年6カ月)される前であれば外国への出願は可能です。逆に言うと、日本で出願してから1年6カ月経過して特許が公開されると、もう外国には出願することができません。

最初から外国に出願する予定であれば、最初に日本語で国際特許出願を行うということも考えられます。国際特許出願では、出願から30カ月経過したときまでに、どの国で特許を取得するのかを選択できます。日本に最初に出願する必要がないため、費用が安くなります。

出願ルート

外国出願する方法は、日本に出願して1年以内に直接外国に出願するパリルートと呼ばれる方法と、国際特許出願して30カ月以内に各国に移行するPCTルートと呼ばれる方法とがあります。権利を取得したい国が少ない場合はパリルートが、多い場合にはPCTルートが良いでしょう。

【関連ページ】初心者のための米国出願解説
       初心者のための欧州出願解説

費用

外国出願には、多額の費用がかかります。外国出願は、特許事務所以外に翻訳会社や外国出願専門の会社も行っています。これらの会社の方が、特許事務所よりも費用が安くなる場合が多いようです。外国出願する案件は重要度が高いと考えられるため、信頼できる特許事務所に任せることをお勧めします。

中小企業に対しては、外国出願の助成金制度があります。応募時期が限られていますが、可能であれば活用しましょう。金額は費用の1/2であって、最大300万円まで補助されます。

【関連ページ】 東京都知的財産総合センター