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自然法則の利用

自然法則とは

発明とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう」と定義されています(特許法第2条第1項)。つまり、特許になるためには発明でなければならず、発明であるためには上記の定義を満たす必要があります。自然法則を利用していないものについては、特許を受けることができません。

万有引力の法則やエネルギー保存の法則など、自然法則それ自身は特許の対象にはならず、自然法則を利用していなければなりません。したがって、自然法則に反する「永久機関」なども特許にはなりません。

人の精神活動を利用している場合

自然法則を利用していないものとして、「人の精神活動にあたるもの」があります。例えば、「人が判断する」ような要件が含まれている場合には特許になりません。具体的には、「エンジニアが故障を判断して、方法Aを実行する故障修理方法」ではエンジニアが故障を判断しているため、人の精神活動に基づく判定をおこなっており、自然法則を利用しているとは言えません。

しかし、これが「コンピュータが条件Aのときは故障と判断し、条件Bのときは故障と判断せず、故障と判断したときは方法Aを実行する故障修理方法」であれば条件Aのときに故障と判断することが人の判断によらないため、自然法則を利用しているとして発明となりえます。

技術的思想

発明であるためには、「技術的思想」でなければなりません。技術的思想でないものとしては、個人の技能やこつがあります。従って、「肩及び首の周辺筋肉を、両手を使ってもみほぐす方法」というのは個人の技能によるものであるため特許になりません。したがって、いわゆるマッサージの方法や整体自体では特許になりません。しかし、マッサージ機器や整体の予約ソフトなどは技能ではないため発明となります。

その他に、単なる情報の開示や美術品、彫刻についても技術的思想ではありません。美術品や彫刻などの一品ものについては、著作権によって保護されます。著作権は、人間の知的活動によって生まれた文芸、学術、美術音楽などの作品をいいます。

産業上利用可能であること

産業とは、製造業、鉱業、農業、林業、漁業など幅広い業態が含まれます。これらの業界において利用可能であればよいのです。いわゆる医療行為は、産業上利用可能とはいえません。このような医療行為に独占的実施権を認めてしまうと、医者が手術の際に特許権者から利用許諾を取る必要があるため、人道上好ましくありません。

医者がメスを用いて人を手術する方法については、医療行為となりますが、医療機器の動作方法については人を手術・治療する方法に含まれないとされています。また、人間から採取した細胞を分析などしてデータ採取する場合についても、問題ありません。さらに、採取した細胞を原料として血清を製造する方法についても同様に認められています。