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他人によって消滅させられる場合

無効審判

利害関係人から無効審判を請求され特許無効の審決が下されると、特許権は遡及的に消滅します。遡及的に消滅とは、始めから特許権が存在しなかったことになることです。無効となる理由には、特許に新規性が無い、進歩性が無い等です。

無効となる審決に不服がある場合は、審決取消訴訟を知的財産高等裁判所に提起することができます。審決取消の判決が出た場合には、無効審決が取消されて再び無効審判で審理されます。このときの審理は、裁判の判決に拘束されます。

異議申し立て

他人から特許になった後6カ月以内に異議申し立てを請求され、特許を取消す決定がなされると特許は遡及的に消滅します。取消決定に不服がある場合には、知的財産高等裁判所に出訴できます。

異議申し立ては、誰でもすることができるため、特許権者としては誰が異議申し立てをしたのかがわからない場合があります。

その他消滅事由

存続期間満了

特許の存続期間は、出願してから20年です。国内優先権を主張した場合には、後の出願から20年となります。特許の存続期間は、最大5年の延長を行うことができます。ただし、延長できるのは、薬事法の承認や農薬取締法の登録等に限られます。分割出願の存続期間は、親出願(原出願)の日から20年となります。

特許料未納

特許査定になると、1~3年分の特許料を支払うことにより特許になります。4年目以降は毎年特許料を納付しなければ特許権を維持できません。納付しないと、特許権は消滅します。この消滅は遡及的ではないため、始めからなかったことにはなりません。

特許料を納付し忘れた場合でも、納付期限から6カ月以内であれば倍額の特許料を払うことで特許が維持されます。特許が不要になった場合には、特許料を支払わないことにより消滅させます。特許の維持には、毎年それなりのお金がかかるため、費用対効果が悪いと判断した場合に不要と判断します。

相続人不在

特許権を相続する人が不在であった場合には、民法の原則によるとその権利は国に帰属しますが、特許の場合には産業の発展のために消滅させることとなっています。これにより、誰もが自由に特許を使用できるため、産業の発展に資するとの考えです。

独占禁止法100条

特許を私的独占や不当な取引制限をして、特定分野の競争を実質的に制限した場合には、特許を取り消す旨の宣言がなされる場合があります。