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商標の使用

商標としての使用

商標を取得したからには、適正に商標を使用しましょう。適正な使用とは、自他商品識別力を発揮する態様で使用することを言います。簡単にいうと、「自社の商品と他社の商品を区別するための名称として商標を使用してください」ということです。

例えば、CDや本のタイトルとして商標を使用した場合、適正な使用とならない可能性があります。一般人は、そのタイトルを見て「あっ、あの会社の商品だ」とは思わないため、他社と区別するための使用にはなりません。

本のタイトルではなく、本の表紙に印刷されている出版社名は商標としての使用となります。また、長く続いているシリーズものの本の場合であって、その会社を表すと認められる場合は、適正な使用に該当します。

使用態様

商標は、できるだけ登録された状態で使用しましょう。つまり、文字+図形で登録された商標は、文字だけ、図形だけでなく、文字+図形で使用しましょう。

使用時には、登録された商標であることを示す「Rマーク」や登録番号などを付して、登録商標であることをアピールしましょう。これにより、他社に真似されることを未然に防止します。

商標を使用した場合には、使用していることを立証できる証拠を準備しておきましょう。具体的には、商標の使用開始日や商品販売日の記録、カタログの保存などを行い、将来的な商標の紛争に備えます。

不使用の場合のリスク

商品のライフサイクル終了により、商標を使用しなくなることがあります。不使用の期間が3年以上になると、他人から不使用取消審判を受けて、登録商標が取り消される可能性があります。不使用取消審判では、すべての請求のうち80%の登録商標が取り消されています。

不使用取消審判が請求されたことを知って、あわてて商標を使用しても、正当な理由が無い限り、登録商標の使用とは認められないため注意が必要です。

商標の維持管理

不使用商標の管理

現在、使用していない商標であっても、以下のような理由の場合には維持管理しておくことが重要です。

  1. 直近に使用する予定がある
  2. 将来使用するかもしれない
  3. 他社に真似されないように防衛する

3の場合には、防護商標という選択もあります。防護商標とは、使用を前提とせずに、他社に真似されないことを目的とする商標登録の形態です。防護商標は、全国的に知られた商標がベースにあって、その商標と非類似の商品にまで他人の使用を排除できる制度です。

普通名称化させないための商標管理

商標が有名になりすぎて、普通名称になってしまうと、商標で他社と自社とを区別することができなくなってしまいます。普通名称化した商標としては、「エレベータ」、「セロファン」、「魔法瓶」などがあります。皆様も、エレベータと聞いて会社名を思い浮かべることはないと思います。

普通名称化する原因の一つとして、他社の登録商標の使用を看過したことが挙げられます。広く使用されることで名称自体は有名になりますが、他社と識別することができなくなってしまいます。これを防ぐために、他社の無断使用には断固たる姿勢で挑むということが大切です。

特に、世に出ていない新たな商品の名称は普通名称化しやすいため、普通名称を併記することも有効です。