意匠取得のメリット
意匠の取得には、主に以下のメリットがあります。
他社のコピー防止
意匠を取得することにより、他社が同一の又は類似するデザインを使用することができなくなります。これにより、競業他社の製品のコピーを防止できます。
競業他社が意匠登録されたデザインを真似した場合には、即座に停止するように求めたり(差止請求)、損害賠償を請求することができます。
意匠権取得のためにはおおよそ半年~1年程度かかることから、新規製品の発売が意匠の登録に間に合わない場合には、「意匠登録出願中」と表示することにより他社の模倣を未然に防止できます。
特に、意匠権の権利範囲は類似であるか否かによって決まるため、権利範囲の境界があいまいです。そうなると、競合他社としては意匠権の侵害となるか否かの判断がし難いため、製品形状を変更せざるを得ません。これにより、自社の製品デザインの独自性を担保できます。
販売中止のリスク回避
意匠登録されたデザインは、意匠権者のみが使用することができます。従って、新規製品を発売して間もなく、他人から意匠権侵害の警告が届いて、新規製品を製造できなくなるというリスクを回避できます。
意匠登録されたデザインを実施することを他社に許諾することができます(専用実施権、通常実施権)。他社に意匠権の使用を許諾した際は、ライセンス収入を得ることも可能です。
自社製品の信頼性向上
意匠を取得できたということは、そのデザインは美観に優れており、それに対して国がお墨付きを与えたということです。従って、顧客に意匠取得済と説明することで、製品の信頼性向上という営業上のメリットがあります。
製品が他社の意匠権を侵害している製品であるという可能性も低くなり、顧客も安心して製品を使用することができます。
自社製品は、意匠登録製品であるというステータスを備えるため、経営者、デザイナー、及び販売員の士気向上に繋がります。
他社の意匠取得防止
意匠は、登録された後に公開されます。これにより、他社は同一又は類似の意匠を取得することが出来なくなります。
意匠は、世に出ていない新規なデザイン対して付与されます。意匠登録をせずに製品を販売した場合であっても、販売によりそのデザインは公知になっているため、他社はその製品と同一又は類似の意匠を取得することが出来ません。
意匠取得のデメリット
意匠取得の主なデメリットは、以下です。
時間がかかる
意匠の出願から権利を取得するまでは、半年~1年程度の期間がかかります。ただし、早期審査制度を利用することによりこの期間を大幅に縮めることができます。(意匠出願から権利化までの手続はこちらをご覧ください。)
金額的負担
意匠を取得するためには、特許事務所に払う書類の準備費用や特許庁に払う費用等、取得までにおおよそ15万円以上かかると考えられます。
各自治体の補助金制度(詳しくはこちら)を利用することにより、約半額程度になります。
金額的には高いとも思われますが、自社製品が製造できなくなった場合やデザイン変更に伴うコスト増を考慮すると、一概に高いとは言えないかもしれません。
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