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【質問】
個人発明家で、特許・実用新案を取得したのですが、どうやってものを製作して売り込んだら良いですか?

業界団体への入会

例えば、「発明学会」や「婦人発明家協会」など、発明家のための団体が存在します。そのような団体に入会して、会員の方と情報交換等することにより、多くの知識を得ることができます。また、セミナーなども定期的に開催されているようです。会員のなかには、実際にアイデアから実施料を得ているケースもあるようです。

発明学会では、アイデアの商品化や企業との契約までサポートしてくれるようです。企業との契約などは、契約書の読み方のほか、交渉力など初めての方にはかなり厳しいと思います。この部分をサポートしてくれるのは、心強いと思います。

婦人発明家協会では、「なるほど展」という発明の展示会を行っており、会員のなかから審査を通過した方の作品を展示しています。正会員は女性のみですが、賛助会員ということであれば、男性も可能なようです。また、法人向けの特別会員もあります。

この場合には、似たような立場の個人発明家と仲良くなることによって、製造から売り込みまでのおおまかな流れを把握することができます。これによって、今後自分がどのように動けば良いかということが分かります。

【リンク】一般社団法人 発明学会
婦人発明家協会

制作・販売の委託

世の中には、発明やアイデアを形にして販売の支援までしてくれる会社があります。ただし、自分で動く場合と比較すると当然費用は多くかかります。また、実際に商品が売れるか、あるいは実施料が入ってくるか、は発明の内容に多く依存しているため、依頼すれば必ず売れるというものではありません。

【リンク】一般社団法人 特許の虎

一般企業であっても、広くアイデアを募っているところがあるようです。そのようなところにアイデアを持ち込んで話をしてみても良いかもしれません。

【リンク】下村企販株式会社
Google  Android Experiments

みなさんが、特許出願や実用新案登録出願をされている場合には、公報が掲載されると出願人の住所も掲載されるため、いくつかのダイレクトメールが送られてくるかもしれません。このようなダイレクトメールには、あやしいところも多いと聞きますので注意が必要です。

個人発明家がアップルに勝訴

2015年9月9日に、個人発明家が特許の侵害訴訟でアップルに勝訴したという判決がありました。ipadのドーナツ形状のクリックホイールは、メニューを選んだり、音量を調整するためのものです。このクリックホイールが、個人発明家の齋藤憲彦氏の特許を侵害するものでした。

齋藤憲彦氏は、過去にアップル社にこのクリックホイールの特許出願をアップルに売り込みに行ったようですが、合意できなかったという経緯があります。その後、アップルがクリックホイールを搭載したipadminiを販売したため、特許が権利化された後に侵害訴訟に訴えました。そして、二審判決では、アップルによる特許侵害を認めて、約3億6千万円の支払いを命じました。

残念ながら、この特許出願は日本だけであったため、外国においては何らの権利も主張することができませんでした。アップルの製品は世界中で販売されているため、外国で権利を取得していたら損害賠償額はさらに多額となったでしょう。

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