特許を検索していたら、製品に近い内容のものが見つかりました。このまま製品の販売を継続したいのですが、どうすればよいのでしょうか?
特許として登録されているかを確認
特許情報プラットフォームで公開されている発明を表示し、その発明が特許として登録されているか否かを確認します。赤丸で囲まれた「経過情報」クリックして、新たなウィンドウの「経過記録」のタブの上を見ると特許として登録されているかがわかります。特許が現在どのような状況かというのは、以下の項目を見てください。
- 「査定種別(登録査定)」となっていて、登録記事の欄に「本権利消滅日」と記載されていなければ、特許権は存続
- 「査定種別(登録査定無し)」となっていれば、審査前又は審査中
- 「査定種別(拒絶査定)」となっていれば、登録されなかった
- 「査定種別(査定無し) 未審査請求によるみなし取下」となっていれば、出願が取り下げられた
①特許として登録されている場合(項目1)
この場合には、既に特許として登録されているため、特許公報の「特許請求の範囲」を確認します。この特許請求の範囲に自分の製品が含まれるようであれば、特許権侵害になる可能性があります。特許の権利範囲に含まれるかどうかの判断は難しいので、専門家の意見を聞くことをお勧めします。
特許請求の範囲に含まれていない場合には、特許権の侵害にならないので、継続的に製品を販売することができます。しかし、特許請求の範囲に含まれてしまう場合には、特許権の侵害になります。この場合には、以下のような対応が考えられます。
- 無効審判を請求して、特許権を消滅させる
- 特許権者と交渉してライセンスを許諾してもらう
- 製品販売を中止する
②審査前又は審査中の場合(項目2)
この場合には、特許として登録される可能性がまだ残っています。特許として登録させないために、情報提供という手続によって審査官に登録になり難くなる情報を提供することができます。ただし、情報提供されたということは相手側にも知られてしまうため、この特許を実施したいと思っている人がいることが分かってしまいます。情報提供は匿名ですることができるため、誰が行ったかまでは相手にはわかりません。
特許には、仮通常実施権という制度があります。これは、登録前の段階で仮に実施する権利を許諾してもらって、登録になった後に通常実施権を許諾してもらうというものです。この仮通常実施権を許諾してもらうことにより、登録になった後も発明を実施することができます。
(仮専用実施権)
第三十四条の二 特許を受ける権利を有する者は、その特許を受ける権利に基づいて取得すべき特許権について、その特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において、仮専用実施権を設定することができる。
2 仮専用実施権に係る特許出願について特許権の設定の登録があつたときは、その特許権について、当該仮専用実施権の設定行為で定めた範囲内において、専用実施権が設定されたものとみなす。
③特許として登録されなかった場合(項目3、4)
この場合には、この発明には特許権が存在していないということなので、他人が自由に実施することができます。ただし、その特許が登録されていなかったから大丈夫というわけではなく、関連している他の特許が登録されている可能性があります。従って、特許を侵害しているか否かについては、関連するすべての特許・実用新案あるいは意匠を調査する必要があります。
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