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【質問】
先行技術調査(特許調査)をしたら必ず特許を取得できるのですか?

 

先行技術調査は、特許の取得を約束するものではありません。先行技術調査をすることによって、同一の発明は存在するか、だけでなく、周辺発明でどの辺りであれば特許を取得できる可能性があるのか、あるいは、他の発明と組み合わせて審査官に拒絶されてしまうリスクはあるのかといいったことを調査します。

特許は、出願してから1年6ヵ月後に公開されます。つまり、出願されてから公開されるまではその発明の存在を知ることは不可能です。しかし、特許は早い者勝ちですので、先に同じ発明が出願されていた場合には、たとえ公開されていなくても拒絶されてしまいます(特許になりません)。

特許を取得するためには、世界のどこでも知られていない(特許として出願・公開されていない)ことが条件となりますが、多くの特許事務所の先行技術調査では、外国の特許文献まで調査しません。外国の文献調査まで必要な場合には、外部の調査会社を利用することになります。

従って、先行技術調査では、日本国内での特許を調査し、可能性があれば出願する、可能性が低い場合にはプラスαの構成を付与して権利化を狙う、というプロセスをたどります。このプラスαは特許性があるのか?ということも、先行技術調査のポイントになります。

しかし、プラスαがたくさんありすぎる場合には、権利範囲が狭くなってしまいたとえ登録になっても誰も実施しないという無駄な特許になってしまうかもしれません。従って、発明にどのαを付加するのかというのも重要な事項になります。

当事務所では、特許庁のデータベース(J-Plat-Pat)を用いて先行技術調査を行っています。調査に要する日数は、おおよそ3日~となります。

これは、特許についての調査ですが、実用新案や意匠の先行調査についても同様です。実用新案の場合には、出願してからおおよそ3ヶ月程で登録になり、その後に公開されます。意匠についても、出願してから8ヶ月程度で登録になり、その後に公開となります。

(2016年5月29日記)

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