意匠出願について
トイレ関連用品である便座、トイレブラシ、ペット用トイレ、トイレ用芳香剤、トイレットペーパーホルダー等のデザイン・外観形状を保護するためには、意匠登録出願が有効です。意匠登録出願は、製品販売前、プレスリリース前に行う必要があります。公表後であっても、新規性喪失の例外の手続きを行うことにより、公開日から１年以内であれば出願が可能です。
便座の一部が特徴的である場合、例えば、便座の座面に特徴があってそれ以外の部分には特徴が無いため座面の形状のみ権利化したい場合、部分意匠としての権利化を図ることが有効です。部分意匠の場合は、座面の一部部（片側のみなど）を特定して権利化を図ることもできます。
便座の座面の部分意匠の審査では、座面の形状に基づいて審査が行われるため、座面以外の便座の部分の形状が異なっても座面の形状が同一又は類似の登録意匠が存在する場合は、登録されません。他方、権利範囲は座面の形状で特定されるため、その他の部分の形状には左右されません。つまり部分意匠は、審査は通り難いが権利化できれば強い権利となります。
トイレ関連用品の種類と分類
トイレ関連用品である、便座、トイレブラシ、ペット用トイレ、トイレ用芳香剤、トイレットペーパーホルダー等の意匠分類は、以下の通りです。
- C3-221 トイレブラシ、清掃用トイレブラシ
- C4-250 トイレットペーパーホルダー、トイレットペーパーケース
- D4-280 折り畳み式トイレ、簡易トイレ、ポータブルトイレ、しびん、尿受け具、仮設トイレ、幼児用トイレ（おまる）
- C4-3100 トイレ用芳香剤、トイレ洗浄用容器
- D5-41 便器、小便器、取付用便器
- D5-492 便座、温水洗浄便座、ウォッシュレット、洗浄器付き便座、カバー付き便座
- D5-4940 便座カバー、便座クッション、給水トイレカバーシート、トイレマット
- E0-15 ペット用トイレ、ペット用トイレシート
- L3-2020 トイレ、ユニットトイレ室、トイレブース
便座の部分に特徴がある場合、トイレの便器全体の意匠で便座のみを部分意匠として出願することも、便座単体として出願することもできます。どちらで出願すればよいかは、市場に流通する場合にどのような状態であるか、を考慮します。具体的には、トイレの便器として市場に流通させる場合は、便座を便器の部分意匠として出願・登録します。逆に、温水洗浄便座（ウォッシュレット等）として市場に流通させる場合には、便座として権利化を図ります。
出願に必要な書類等
意匠登録出願は、トイレ関連用品の図面又は写真で形状を特定します。従って、意匠登録出願を行う際には、トイレ関連用品の具体的形状が分かる写真、図面、又は現物が必要となります。出願から登録までの期間は、通常８～１０か月ですが状況によって多少前後することがあります。
意匠登録出願から登録までの費用については、特許事務所によって異なりますが、概ね１５～２５万程度と思われます。弊所料金は、出願から登録までで概ね２０万程度となっております。詳細については、こちらでご確認ください。
意匠登録の効果
意匠登録されることで、登録された便座、トイレブラシ、ペット用トイレ、トイレ用芳香剤、トイレットペーパーホルダー等のトイレ関連用品と同一又は類似の商品を販売した第三者に対して差し止め請求、損害賠償請求を行うことができます。アマゾンや楽天等のマーケットプレイスで意匠権侵害等を行った販売業者に対しては、アマゾン側で侵害事業者の販売停止等の厳しい措置がなされます。
意匠権取得済であることをホームページ等で広く訴えかけることにより、未然にコピー品の販売を防止するといった抑止効果も期待できます。
もし、登録された意匠権を第三者が使用したいとなった場合は、実施許諾契約を締結することで使用を許諾できます。使用許諾の際の実施料については、交渉によって双方納得のできる金額で折り合いを付けます。
外国での意匠権取得を希望の場合は、出願してから半年以内に外国出願手続きを行います。ハーグ協定に基づく国際意匠登録出願であれば、複数の国に一括で意匠登録出願を行うことができ、費用削減、管理負担軽減といったメリットがあります。
弊所では、意匠登録出願が初めてというお客様も多く、原則としてWeb又は対面でのお打ち合わせをお願いしております。トイレ関連用品の権利保護をご希望の方は、こちらよりお問い合わせください。
【関連ページ】意匠登録出願について