意匠出願について

飼育用具(魚・鳥・昆虫)である水槽、ヒーター、水槽照明、ポンプ、鳥かご、虫かご等のデザイン・外観形状を保護するためには、意匠登録出願が有効です。意匠登録出願は、製品販売前、プレスリリース前に行う必要があります。公表後であっても、新規性喪失の例外の手続きを行うことにより、公開日から1年以内であれば出願が可能です。

飼育水槽の枠組みが特徴的である場合、具体的には、枠組みに特徴があってガラス面には特徴が無いため枠組みの形状のみ権利化したい場合、部分意匠としての権利化を図ることが有効です。部分意匠の場合は、枠組みの一部(側面の枠組みのみ)を特定して権利化を図ることもできます。

飼育水槽の枠組みの部分意匠の審査では、枠組みの形状に基づいて審査が行われるため、枠組み以外のガラス面の形状が異なっても枠組みの形状が同一又は類似の登録意匠が存在する場合は、登録されません。他方、権利範囲は枠組みの形状で特定されるため、その他の部分の形状には左右されません。つまり部分意匠は、審査は通り難いが権利化できれば強い権利となります。

飼育用具(魚・鳥・昆虫)の種類と分類

飼育用具(魚・鳥・昆虫)である、水槽、ヒーター、水槽照明、ポンプ、鳥かご、虫かご等の意匠分類は、以下の通りです。

  • E0-1110 観賞魚用水槽、水槽、観賞魚用鉢
  • E-11190 水槽用クーラー、エアーポンプ、水槽用照明器具、水槽用冷却ファン、産卵床、水槽蓋、水流ポンプ、水槽用装飾品
  • E0-11191 水槽用ヒーター、投げ込みヒーター
  • E0-11192 水槽用ろ過器、ろ過器カバー、ろ過器用ポンプ
  • E0-112 虫かご、昆虫飼育容器、幼虫飼育容器
  • E0-113 鳥かご、巣箱

水槽の蓋に特徴がある場合、水槽の意匠で蓋を部分意匠として出願することも、水槽用の蓋として出願することもできます。どちらで出願すればよいかは、市場に流通する場合にどのような状態であるか、を考慮します。具体的には、水槽全体として流通する市場において蓋部分のみを権利化したい場合は、水槽の意匠で登録します。逆に、水槽用の蓋単体で市場に流通する場合には、水槽用の蓋として権利化を図ります。

出願に必要な書類等

意匠登録出願は、飼育用具(魚・鳥・昆虫)の図面又は写真で形状を特定します。従って、意匠登録出願を行う際には、飼育用具(魚・鳥・昆虫)の具体的形状が分かる写真、図面、又は現物が必要となります。出願から登録までの期間は、通常8~10か月ですが状況によって多少前後することがあります。

意匠登録出願から登録までの費用については、特許事務所によって異なりますが、概ね15~25万程度と思われます。弊所料金は、出願から登録までで概ね20万程度となっております。詳細については、こちらでご確認ください。

意匠登録の効果

意匠登録されることで、登録された水槽、ヒーター、水槽照明、ポンプ、鳥かご、虫かご等の飼育用具(魚・鳥・昆虫)と同一又は類似の商品を販売した第三者に対して差し止め請求、損害賠償請求を行うことができます。アマゾンや楽天等のマーケットプレイスで意匠権侵害等を行った販売業者に対しては、アマゾン側で侵害事業者の販売停止等の厳しい措置がなされます。

意匠権取得済であることをホームページ等で広く訴えかけることにより、未然にコピー品の販売を防止するといった抑止効果も期待できます。

もし、登録された意匠権を第三者が使用したいとなった場合は、実施許諾契約を締結することで使用を許諾できます。使用許諾の際の実施料については、交渉によって双方納得のできる金額で折り合いを付けます。

外国での意匠権取得を希望の場合は、出願してから半年以内に外国出願手続きを行います。ハーグ協定に基づく国際意匠登録出願であれば、複数の国に一括で意匠登録出願を行うことができ、費用削減、管理負担軽減といったメリットがあります。

弊所では、意匠登録出願が初めてというお客様も多く、原則としてWeb又は対面でのお打ち合わせをお願いしております。飼育用具(魚・鳥・昆虫)の権利保護をご希望の方は、こちらよりお問い合わせください。

【関連ページ】意匠登録出願について