かばん・バッグの意匠登録出願

意匠出願について

かばんのデザイン・外観形状を保護するためには、意匠登録出願が有効です。意匠登録出願は、製品販売前、プレスリリース前に行う必要があります。公表後であっても、新規性喪失の例外の手続きを行うことにより、公開日から1年以内であれば出願が可能です。

かばんの一部が特徴的である場合、例えば、かばんのポケットの形状に特徴があってその部分のみ権利化を希望する場合は、部分意匠としての権利化を図ることが有効です。部分意匠の場合は、ポケットの一部のみを特定して権利化を図ることもできます。

かばんのポケットの部分意匠の審査では、取っ手の形状に基づいて審査が行われるため、取っ手の形状、及びかばんの全体的な形状が異なってもポケットの形状が同一又は類似の登録意匠が存在する場合は、登録されません。他方、権利範囲はポケットの形状で特定されるため、その他の部分の形状には左右されません。つまり部分意匠は、審査は通り難いが権利化できれば強い権利となります。

かばん・バッグの種類と分類

かばんは非常に幅が広いため、どのような用品であるかを具体的に指定する必要があります。かばんや携帯用袋物に関連する用品の意匠分類は、以下の通りです。

  • B4-10 ハンドバッグ、セカンドバッグ、手提げかばん、肩掛けかばん、化粧用ポーチ、買い物袋、トートバッグ、ボストンバッグ、アタッシュケース
  • B4-12 ウエストバッグ、ウエストポーチ、ポーチ
  • B4-13 携帯用小物入れ、ハンドバッグ
  • B4-14 トランク、スーツケース、ギャジットバッグ、カメラバッグ、化粧バッグ、旅行かばん
  • B4-15 リュックサック、ナップサック、ランドセル、スクールバッグ、バックパック
  • B4-16 買い物袋、手提袋、折り畳み式買い物袋
  • B4-17 買い物かご、手提かご、バスケット

かばんの関連用品は、B4-900:かばん用提げ手取り付け具、B4-920:かばん用取っ手、B4-93:かばん用口金、B4-94:かばん用錠、B4-111:カバン用ボタン等があります。様々なかばんに取り付け可能な関連用品は、それ自体で意匠の取得が可能です。

部分意匠は、かばんの一部として権利を特定しましたが、B4-920の取っ手は、取っ手そのもののの権利となります。具体的には、かばんの取っ手を部分意匠で取得した場合は、かばんに設けられた取っ手の形状で権利が規定されます。B4-920の取っ手を意匠で取得した場合は、権利は取っ手のみであって、かばんの一部である取っ手ではありません。

出願に必要な書類等

意匠登録出願は、かばんの図面又は写真で形状を特定します。従って、意匠登録出願を行う際には、かばんの具体的形状が分かる写真、図面、又は現物が必要となります。出願から登録までの期間は、通常8~10か月ですが状況によって多少前後することがあります。

意匠登録出願から登録までの費用については、特許事務所によって異なりますが、概ね15~25万程度と思われます。弊所料金は、出願から登録までで概ね20万程度となっております。詳細については、こちらでご確認ください。

意匠登録の効果

意匠登録されることで、登録されたかばんと同一又は類似のかばんを販売した第三者に対して差し止め請求、損害賠償請求を行うことができます。アマゾンや楽天等のマーケットプレイスで意匠権侵害等を行った販売業者に対しては、アマゾン側で侵害事業者の販売停止等の厳しい措置がなされます。

意匠権取得済であることをホームページ等で広く訴えかけることにより、未然にコピー品の販売を防止するといった抑止効果も期待できます。

もし、登録された意匠権を第三者が使用したいとなった場合は、実施許諾契約を締結することで使用を許諾できます。使用許諾の際の実施料については、交渉によって双方納得のできる金額で折り合いを付けます。

外国での意匠権取得を希望の場合は、出願してから半年以内に外国出願手続きを行います。ハーグ協定に基づく国際意匠登録出願であれば、複数の国に一括で意匠登録出願を行うことができ、費用削減、管理負担軽減といったメリットがあります。

弊所では、意匠登録出願が初めてというお客様も多く、原則としてWeb又は対面でのお打ち合わせをお願いしております。かばんの権利保護をご希望の方は、こちらよりお問い合わせください。

【関連ページ】意匠登録出願について