中小企業の特許訴訟

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特許訴訟の現状

日本における特許訴訟

2011年度における日本国内での特許訴訟はわずかに150件でした。これは、日本人の争いを好まない文化の表れであり、訴訟に至る前に話し合いで解決することが多いという理由によるものです。

訴えた特許権者のうち、中小企業が約60%を占めています。しかし、裁判で特許権者が勝つのは20%弱と極めて低いです。特に大企業と中小企業との争いになると中小企業の勝率はさらに下がります。

特許訴訟は和解で終わることも多いため、損害賠償の金額についても最大で10億ほどであり、さほど高額にはなりません。また、訴訟の費用も弁護士費用だけて1000万程度かかるため、争いが長引くほど会社にかかる負担も大きくなります。

諸外国での特許訴訟

特許裁判において、特許権者が勝つ確率は米国で40%、ドイツで60%と日本に比べて高い数値です。また、特許関連訴訟の件数についても、米国は4000件、中国では8000件と日本の200件に比べて大幅に多いです。

米国については、損害賠償は懲罰的な意味合いもあることから、数百億~一千億を超える損害賠償を認める判決も出ています。

特許を取得する意味

特許で未然に他人を排除

訴訟で勝てないからといって、特許を取得する意味が無いわけではありません。むしろ、日本で知財訴訟が少ないのは、特許権の存在を知っておりその特許を侵害しないように技術開発を行うために訴訟が少ないと考えることもできます。

そうすると、特許を取得することにより、争いに至る前に他人の模倣を防止することができます。