登録されている商標を使用したい
登録されている商標を取り消す
不使用取消審判
3年以上、登録されている商標が使用されていない場合には、不使用取消審判を請求することができます。ただし、商標権者が誰かにライセンスを許諾していて、許諾を受けた者が使用している場合には請求することができません。
不使用取消審判では、商標権者側が使用していることを立証する必要があるため、証拠の準備等は必要ありません。不使用取消審判は、請求人側が入念に調べて請求することが多いため、8割程度が取消されています。
不正使用による取消審判
商標権者が登録している商標と類似する商標を使用したことにより、他人の商品であると誤認させたり混同が生じた場合は、不正使用による取消審判を請求することができます。
商標権者が誰かにライセンスを許諾していて、許諾を受けた者が紛らわしい商標を使用している場合にも、同様に不正使用による取消審判を請求することができます。使用されているという事実が無くなってから5年以内に請求する必要があります。
異議申し立て・無効審判
商標が登録されてから2か月以内であれば、本来商標登録されるべきでなかった商標の登録に対して異議を申し立てることができます。異議申し立てで取り消される商標は、1~2割程度とかなり低いです。
無効審判は、いつでも請求することができますが、商標権者との利害関係が必要となります。利害関係とは、その登録されている商標を使いたい人や、その商標と自分の使用している表示とが紛らわしいため混同が生じている人等が該当します。
ライセンス・譲り受け
使用許諾を受ける
商標権者から使用許諾を受けることにより、登録商標又はこれに類似する商標を使用することができます。ただし、商標権者がその商標を使用している場合には、許諾を受けられる可能性は低いと考えましょう。
使用許諾の際には、サブライセンスの可否、他にライセンスしない旨の契約(独占的通常使用権)等を考慮する必要があります。無料の場合もありますが、通常は有料となります。
商標権を譲り受ける
商標権者から商標権を譲り受けることにより、登録商標を使用することができます。商標権の移転の際には、特許庁に「商標権移転登録申請書」を提出する必要があります。その際は、「譲渡証明書」を添付しなければなりません。
あきらめる
他の非類似の商標の使用
登録されている商標の使用をあきらめて、新たにまったく異なる名称・ロゴを使用することも考えられます。下記に述べるように、無断使用には大きなリスクがあるため、商標を取消すこともできず許諾も受けられなかった場合には、仕方がないでしょう。
その場合は、新たに使用する名称は必ず先行調査・商標登録出願を行いましょう。もし、事業を始めたばかりという場合には、名称を変更することによる損害は少なくて済むでしょう。
類似するかしないかの判断は、微妙な判断も多く専門家でも意見が分かれる場合があります。安全のために、登録されている商標とは大きく異なる名称・ロゴを使用しましょう。
無断使用し続けた場合のリスク
商標権者から警告を受けた場合には、使用している名称が使えなくなるだけでなく損害賠償を請求される可能性もあります。なによりも、社会的にこの会社は商標権を侵害していたという悪いイメージが付いてしまいます。これらの出来事は、取引先等からの信用失墜に繋がるでしょう。
登録商標と同一又は類似している名称やロゴを使用することは、大変リスクが高いです。