輸出と特許~外為法の輸出管理規制~

製品輸出と特許

輸出行為

特許製品を輸出する行為は、特許法における実施行為に該当します(特許法第2条第3項)。従って、他人の特許権を侵害している製品を輸出することは、その特許権の侵害となります。

特許法では、実施行為を以下のように定めています。

第2条(定義)
3 この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。
  1. 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為
  2. 方法の発明にあつては、その方法の使用をする行為
  3. 物を生産する方法の発明にあつては、前号に掲げるもののほか、その方法により生産した物の使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為

輸出国における特許侵害

輸出先の国において、輸出品の特許権が存在している場合にはその特許権の侵害となります。海外での知的財産の訴訟となると、費用や時間が膨大になるため、事前の権利調査が必要となります。

特許権は国ごとに発生するため、日本で特許権を有していたとしても、輸出先の国で特許を取得していなければその国では何らの効力もありません。従って、可能であれば輸出先の国での特許権取得も考慮するべきです。

弊所では多数の国の代理人と連携しており、様々な国における特許調査や権利取得等をお手伝いしております。海外への製品輸出時の相談は、お問い合わせからお問い合わせください。

外為法の輸出管理規制

外為法とは、「外国為替及び外国貿易法」のことであり、外国との取引において必要な管理・調整を義務付けています。外為法では、武器や軍事転用可能な高度技術汎用品の輸出を行う場合には、経済産業大臣の許可が必要になると定めています。

この法律に違反した場合には、刑事罰や行政制裁(3年以内の輸出禁止等)が科される可能性があります。

リスト規制

リスト規制とは、「輸出する製品が輸出令及び外為法に定めたものに該当する場合に経済産業大臣の許可が必要になる」というものです。

【関連リンク】リスト規制(経済産業省)

キャッチオール規制

キャッチオール規制とは、「リスト規制以外の製品であっても大量破壊兵器等に転用されるおそれがある場合には、経済産業大臣の許可が必要となる」というものです。

これは、輸出者自身が、その製品の用途及び需要者を確認して判断します。判断の基準については、以下のリンクに詳細に記載されていますのでご確認ください。

【関連リンク】キャッチオール規制(経済産業省)

弊所では、特許・商標の税関での差止等に関する相談を随時承っておりますので、こちらからお問い合わせください。[insert page='tel' display='content' ]